睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることにより日常生活に様々な障害を引き起こす疾患です。
睡眠時無呼吸症候群の大半は気道の閉塞が原因です。健常者でも、仰向けで寝ているときは重力の影響で舌の付け根が沈下して気道は狭窄しています。さらに、睡眠状態に入ることで気道を構成している筋肉が弛緩しますので、気道狭窄は助長されます。
睡眠時無呼吸症候群の方は、肥満に伴い気道の周囲に死亡が沈着していたり、もともと気道が狭かったりしていることで、健常者よりも気道の狭窄が血良くなっていびきを引き起こしたり、気道が閉塞してしまい呼吸停止を起こします。
・いびき
・日中の強い眠気
・起床時の頭痛
・倦怠感
・起床時の喉の渇き
・頻回の中途覚醒
・集中力の低下
・夜間の頻尿
・高血圧(健常人の1.37倍)
・夜間心臓突然死(健常人の2.61倍)
・脳血管障害(健常人の3.3倍)
・居眠りによる交通事故(健常人の7倍)
問診にて睡眠時無呼吸症候群が疑われる方に対しましては携帯型睡眠モニター(簡易PSG)を一晩着用していただき睡眠状態(鼻気流、体内酸素量・呼吸運動)を評価します。評価の目安は呼吸停止と重度のいびきを合計した1時間当あたりの平均回数で無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼ばれます。この数字が5以上であれば睡眠時無呼吸症候群と診断され、40以上で持続気道陽圧(CPAP)療法の適応となります。ただし、携帯型睡眠モニターでは実際に眠っているかどうかなど、睡眠の程度を把握できませんので、AHIが20~40回弱の方は脳波も記録する睡眠ポリグラフィー(PSG)でAHI20以上ならCPAP療法の適応となります。
・減量・生活習慣の是正 ※肥満は最重要な危険因子です。
・口腔内装置(マウスピース) ※歯科にて作成
・持続気道陽圧(CPAP)療法 ※次項を参照
CPAP(シーパップ)療法(持続気道陽圧療法)はCPAP装置からホース、マスクを介して空気を気道に送り、常に圧力をかけて気道がふさがらないようにします。この療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、症状の改善が期待されます。睡眠時無呼吸症候群が原因で血圧が上昇している場合においては、血圧を下げる効果の報告もあります。CPAP療法は検査を行い一定の基準を満たせば健康保険の適応になります。